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📚千石ブッククラブ~おしいれのぼうけん~

2022/12/22(木) コラム
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本と絵本のまち、千石

今日のおすすめ絵本
このコーナーでは、千石在住の絵本の大好きなお母さんが子どもの頃に読んだ本、子どもと読んで楽しかった本を少しずつご紹介していきます。日々の読書にお役立ていただけたら幸いです。


『おしいれのぼうけん』(ふるたたるひ・たばたせいいち/作、童心社/刊)

 

今回ご紹介するのは、私が小学校の頃に我が家の本棚にやってきた、黒とオレンジのカバーが印象的なこの絵本。 

舞台は保育園。

お昼寝の時間にドタバタ走り回り、先生におしいれに入れられてしまう2人の男の子が主人公です。 

子どもの頃、部屋に寝転がって暗闇の中でじっと目を凝らすと、天井や壁のシミが何かに見えてきたりしませんでしたか? 

この絵本の中では、おしいれの壁の模様がねずみばあさんになり、2人を異世界へと誘います。

冒険を通じて心を育んでいく子どもたちの様子を描いたこの作品は、作者が編集者と一緒にたくさんの保育園を訪問し、実際の子どもたちの様子を見ながら作り上げたのだそう。 

林町小学校の図書アドバイザーの方から、何十年か前の日本には「これからを担う子どもたちのために、いい本を作るぞ!」という気概に満ちた編集者さんがたくさんいた、という話を聞いたことがあります。 

その時代に作られた絵本に今でも読み継がれる名作が多いのは、そんな背景があるからなんですね。 

今は「おしいれ」自体をあまり見かけなくなりましたが、親子で「おしいれってなあに?」「おしいれっていうのはね」と語り合うきっかけになるといいなと思います。

https://www.doshinsha.co.jp/search/info.php?isbn=9784494006069

 

【案内人 栞本ことは(しおりもと ことは)氏 (千石在住)】 
文庫活動(近所の子どもたちが自由に本が読めるよう、家の玄関先に本棚を置く)や手作り絵本の会(子どもたちが画用紙に文と絵を書き製本をし、世界に一つだけの絵本を作るお手伝い)をしていた母の影響で、自然と絵本や本に親しむようになりました。
本好きが高じて、出版社で編集の仕事をしているのですが、それでもまだ本への愛がおさまらず(?)、子どもが通う小学校で読み聞かせ隊をしたり、本のイベントをしたりしています。

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