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📚千石ブッククラブ~それしか ないわけ ないでしょう~

2021/8/15(日) コラム
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今日のおすすめ絵本

このコーナーでは、千石在住の絵本の大好きなお母さんが子どもの頃に読んだ本、子どもと読んで楽しかった本を少しずつご紹介していきます。

日々の読書にお役立ていただけたら幸いです。

『それしか ないわけ ないでしょう』(ヨシタケシンスケ/作・絵、白泉社/刊)

今回は、日常の一コマを、コミカルかつシュールに切り取るイラストが話題のヨシタケシンスケさんの絵本群の中から。

選んだのは、高校3年生の娘。

「わあ、ヨシタケシンスケさんいいよね!」

と言ったものの、はて。

私がヨシタケさんの作品を知ったのは、子どもが小学高学年になってから。
知り合いが「子どものために買ったつもりが、自分がハマってしまったの」と教えてくれたのがきっかけ。

子どもたちが小さかった頃の読み聞かせ期にはまだ出会えていなかった絵本です。

「何がきっかけ?」

そう聞いてみると、

「学校のお友だちが、誕生日に贈ってくれた」と。

へえ。いい出会い方、したんだ!

『それしか ないわけ ないでしょう』は、小さな女の子が主人公。

ある日お兄ちゃんから「未来は大変なんだって」と聞かされ、焦って困っておばあちゃんの部屋に相談しに行くと、お布団の中で身体を半分起こしながら本を読んでいたおばあちゃんが、すぐさま「だーいじょうぶよ!」と満面の笑み。

大人が「未来はこうなる」って予言してもハズれたこともたくさんあった。

大人はよく「これとこれ、2つのうちどっちがいい?」って聞くけれど、選択肢は2つじゃなかった。

そんなことを肌で感じてきたおばあちゃんだからこそ、きっぱりと言える「だいじょうぶ」という言葉。

この言葉をきいて、女の子の不安は吹き飛んでしまいました。

将来何になりたいか。何をして生きていきたいのかを考える時期に立たされた娘にとって、同じ悩みを持つ同級生からのこのプレゼントは何よりの贈り物だったことでしょう。

「未来はああかもしれない。でももしかしたらこうかもしれないよね!って教えられた。一見ネガティブに見えることも、考え方次第でポジティブに変わるよね!って教えられた」と娘。

よいタイミングでよい絵本に出会ったね。

読む人の想像力をかきたて、たくさんの可能性に気づくヒントをくれるこの作品は、小さな子、思春期の子、それから大人にも効く一冊です。

ブックセレクト/松本果乃瑚

https://www.hakusensha.co.jp/booklist/52926/

 

【案内人 栞本ことは(しおりもと ことは)氏 (千石在住)】 
文庫活動(近所の子どもたちが自由に本が読めるよう、家の玄関先に本棚を置く)や手作り絵本の会(子どもたちが画用紙に文と絵を書き製本をし、世界に一つだけの絵本を作るお手伝い)をしていた母の影響で、自然と絵本や本に親しむようになりました。
本好きが高じて、出版社で編集の仕事をしているのですが、それでもまだ本への愛がおさまらず(?)、子どもが通う小学校で読み聞かせ隊をしたり、本のイベントをしたりしています。

 

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