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📚千石ブッククラブ~ちへいせんのみえるところ~

2021/6/13(日) コラム
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今日のおすすめ絵本

このコーナーでは、千石在住の絵本の大好きなお母さんが子どもの頃に読んだ本、子どもと読んで楽しかった本を少しずつご紹介していきます。

日々の読書にお役立ていただけたら幸いです。

『ちへいせんのみえるところ』(長新太/作・絵、ビリケン出版/刊)

 
今回ご紹介する絵本は、「ナンセンスの神様」の異名をとる絵本作家、長新太さんの『ちへいせんのみえるところ』。

この本を薦めて下さったのは、千石のとなり町、大塚にある「OSAGARI絵本」の伊藤みずほさん。

先日、ご近所さんが、ある冊子に伊藤さんのインタビュー記事を寄稿するというので取材のお供をしたのですが、その時、伊藤さんに店内の本棚に陳列されていた本の中から選んで頂いたのがこの絵本でした。

『ちへいせんのみえるところ』には、その名の通り地平線が中心に描かれています。

そう聞くと、シーンと静謐な世界が広がっているように思うかもしれませんが、ページをめくるとあっという間にその予想は裏切られ、長新太ワールドがニョキッ。出ました。

確かに画面そのものはシーンとしてはいるのですが、なぜか心がざわざわ。

人の頭、象、エイ、ペンギン……。ページをめくるたびに、次から次へと地平線からシュールな何かが顔を出すんです。

書かれている言葉は一つ。

「出ました」

だけ。

なんてシンプルな構成。

なんて大胆な構成。

この本が、人気作家の荒井良二さんが絵本作家になるきっかけを作ったと知った時には、大きくうなずき膝を打ちました。

荒井さんが、長さんの作品と出会ったのは大学生の頃。よく通っていたお店で見つけたこの本を、「手に取ることがなかったら、絵本を作っていなかったと思う」と振り返るほど、この絵本はその後の創作に大きな影響を与えたのだそうです。

私自身、長新太さんは大好きな絵本作家さんで、『おしゃべりなたまごやき』との出会い以来、幾度となく長新太作品に楽しませてもらいました。

2005年に訃報を知った時は、とてもショックを受けましたが、それから16年たった今でも、長さんが遺した作品が生き生きと読み継がれているのを目の当たりにするにつけ、改めて絵本の偉大さ、力強さを思い知るのです。

きっと100年先も。

そんな普遍性を感じるこの本に、是非とも触れていただきたいです。

https://www.ehonnavi.net/ehon/2016/ちへいせんのみえるところ/?pcf=1
 

OSAGARI絵本
〒112-0012 東京都文京区大塚3-42-14 北村ビル1F


 

 

【案内人 栞本ことは(しおりもと ことは)氏 (千石在住)】 
文庫活動(近所の子どもたちが自由に本が読めるよう、家の玄関先に本棚を置く)や手作り絵本の会(子どもたちが画用紙に文と絵を書き製本をし、世界に一つだけの絵本を作るお手伝い)をしていた母の影響で、自然と絵本や本に親しむようになりました。
本好きが高じて、出版社で編集の仕事をしているのですが、それでもまだ本への愛がおさまらず(?)、子どもが通う小学校で読み聞かせ隊をしたり、本のイベントをしたりしています。

 

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