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📚千石ブッククラブ~かたあしだちょうのエルフ~

2021/2/13(土) コラム
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今日のおすすめ絵本

このコーナーでは、千石在住の絵本の大好きなお母さんが子どもの頃に読んだ本、子どもと読んで楽しかった本を少しずつご紹介していきます。

日々の読書にお役立ていただけたら幸いです。

 

『かたあしだちょうのエルフ』(おのき がく/作・絵、ポプラ社/刊)

今回ご紹介するのは、やさしい一羽のだちょうが登場する『かたあしだちょうのエルフ』。 

先日、千石図書館の児童書の棚でこの本を発見した時、「あ、エルフだ!」と思わず叫んてしまいました。 

語呂のいいタイトル。 

迫力ある木版画のイラスト。 

この本に出会った小さい頃の記憶が一気に蘇ってきました。 

当時人気だった『野生の王国』というドキュンタリー番組は、雄大なサバンナを描いたオープニング映像が迫力満点。 

ケニアでライオンの子を育てるイギリス人家族の様子を描いた映画『野生のエルザ』も大きな話題となった時期で、実家から車で行ける距離にできた『エルザ』という動物レストランに行ったことも懐かしく思い出されました。 

サバンナばやり? 

まだまだアフリカ大陸まで行く手段が少なく、異文化への興味や憧れが、今よりももっと強い時代でした。 

エルフにエルザ。 

なんとなく名前が似ていますね。 

エルザはイギリスに多い女性名「エリザベス」からとったようですが、エルフはアフリカの言葉で「千」という意味だそう。 

動物園でだちょうを見た時「こんなに狭いところにいるから今は力が発揮できないけど、実はだちょうってすごく足が早いんだよ」と教わった覚えがありますが、エルフは一息で千メートルも走る強い足を持っていることから名付けられたのだそうです。 

そう。

エルフは足が早く、強く、そして子どもたちが大好きなだちょうです。 

サバンナで共に生きる動物の子どもたちも、エルフの背中に乗ってお散歩するのが大好きでした。 

ライオンが来ても、くろひょうが来ても、どんな時でも体をはって子どもたちを守り抜くエルフ。 

子どもたちを襲おうとする動物でも、命までは取らず追い払うだけにとどめるエルフ。 

この本を通してエルフから教えられることが、数限りなくありました。 

どんなお話かは、是非読んでみて知って欲しいのですが、この絵本のキーワードとなるのが「バオバブの木」ということだけお伝えしておきたいと思います。 

作者のおのきさんは、サバンナに立つ1本の木の写真に着想を得て、そこから映写機を逆まわしさせるようにストーリーを考えていったそうです。 

バオバブといえば、『星の王子さま』でもキーワードになっている木。 

サバンナ地帯に多く分布する、モコモコとした不思議な形をした木。 

とっても存在感のある木ですから、そこから想像を膨らませ、物語にしたくなる気持ちがよくわかります。 

出版社の公式ホームページによると、対象年齢は3歳からとありますが、年齢ごとに受け取り方が変わってくる絵本だと感じています。 

私は大人になってから改めて読んでみて、三浦綾子さんの『塩狩峠』の読後感に似たものを感じました。 

いろんな世代の方に、エルフという存在の尊さを是非味わって欲しいと思います。   

https://www.poplar.co.jp/book/search/result/archive/3020009

 

【案内人 栞本ことは(しおりもと ことは)氏 (千石在住)】 
文庫活動(近所の子どもたちが自由に本が読めるよう、家の玄関先に本棚を置く)や手作り絵本の会(子どもたちが画用紙に文と絵を書き製本をし、世界に一つだけの絵本を作るお手伝い)をしていた母の影響で、自然と絵本や本に親しむようになりました。
本好きが高じて、出版社で編集の仕事をしているのですが、それでもまだ本への愛がおさまらず(?)、子どもが通う小学校で読み聞かせ隊をしたり、本のイベントをしたりしています。

 

【イベントのお知らせ】
多くの方にご協力をいただきながら本のイベントも行っています。
昨年の千石ブックメルカード(一箱古本市)の様子は【コチラ】から
落ち着いたらまた企画しますので、遊びに来てくださいね。

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